SSブログ

桜奈プロジェクト休止について [ドール]

 かなり古い話になりますが、そのままにしておくのも一寸もったいないので、番外編として載せておきます。

 桜奈の公式HPを覗いてみたところ、桜奈プロジェクトが休止になったとの事でした。ありゃありゃ残念、と言う気もするのですが、其の一方でさもありなん、と言う割り切った感情もまた在ったりします。

 と、言うことで、お話の本題に入る前に、軽く状況を振り返って見ることにします。
 先ずは、登場の当初から何故、27ドールではなくて29ドールにしたのか、という疑問がありました。今思うとやはり、この辺りの”汎用性の薄さ”がボディブローのように効いてしまったのかなぁ、と言う事は感じています。

0169_sakurana_02.jpg

 次に、第二弾に出る筈だった、版権モノのSFルック(エリス中尉ですね。以下、”SF桜奈”とします)の桜奈がご破算になってしまい、結果的に、それがバンダイの受付嬢スタイル(それも限定100とか200とかの非常に中途半端な生産量)になってしまった辺りから製作者とメーカーであるバンダイの間で考え方の齟齬が見え隠れし始めた、と言う点も見過ごせないです。

0170_sakurana_03.jpg

 第三弾になると、タイアップモノということで目先は変えてきたつもりなのでしょうけれど、衣装は全部同じで三種類のモデルを出してくると言うトンチキな…というか、消費者に選択の幅を与える販売形態に出てきたときには流石に一気に全員を迎えようと言う奇特な方はいなかったのではないのでしょうか。

0171_sakurana_04.jpg

 実際せいしろーさん的にも一番汎用性の高そうな黒髪ショートの子だけを購入して後の2人は成り行きに任せて手に入ればそれでヨロシ、的な感じに落ち着くことになりました。そして、結果的には、市場でもダダ余り状況になってしまい、実売で5Kまで値が下がってこのままでは本当に此のシリーズも終わってしまうかも…、と言う危惧を持ちましたので、そこでやっと購入と言う段取りになったのは以前どこかで書いたとおりです。

 そして、そのまま第四弾のアナウンスが無いままに時は流れ、色々な意味合いにおいてバンダイがどうも痺れを切らせてしまったのか、途中から桜奈ドールが何でも屋的な扱いになり始めて、戦隊モノのコスプレキャラクターの素体に出張させられた辺り(それでも一体15Kの価格帯は下げず)になったときに、もうバンダイにとっては償却期間が終わってしまったのだろうな、という一抹の寂しい感情だけが残ってしまいました。

 結果、今回の無期限凍結を目の前にしても、もったいないなぁと言う感情もさることながら、さもありなん、と言う感情の方が先に立ったのはまぁ、仕方ないでしょうか。

0168_sakurana_01.jpg

 バンダイとしては、何故、素体の汎用性の高い27ドールを選択せずに、29ドールの、それもかなり特殊な造形の素体にしたのでしょうかね?27ドールとしてまだまだ一線でやれているmomokoドールとかバービーを見るにつけて、そう思わざるを得ないです。
 多分、
①一定の層に訴求し一定のマーケットを確立させた上で、
②出来のよい衣装とか小物類をある程度の安価でどんどんと出していく
という戦略を採り、
③最終的にこの29ドールの市場をある程度支配する
と言う事を強く望んでいたのかなぁと言う気がします。

 結局最初から他のドールとの汎用性とか言う考えは一向になかったようで、①の段階からすっ転んでしまい、②とか③の段階は全く来なかった訳です。少なくとも27ドールの方が衣装的には絶対的に充実していますし、それこそ桜奈ドールだとバビ衣装との相性は悪くは無いとすら思ったりもするのですけれどね。
 とにかくバンダイの29ドール戦略を一手に担う存在として生み出されてしまった段階で、①のマーケットが確立しない限りは消え去る運命にあった儚いドールだったのかなぁ、と言う事は感じています。

 それに加えて、どうも製作者とメーカーの考え方の違いも何となく透けて見えて来ていたのも一寸気になる所。
 第一弾の衣装は非常に素晴らしくて、それこそ、バンダイも製作者も此のドールで天下取ったる!みたいな意気込みを感じていたのですけれど、第二弾でラインナップされていたSF桜奈が一向に発売されず、気付けばバンダイの受付嬢になってしまっていたのは上述したとおり。ただ、ここでもしSF桜奈が出ていれば、また違った展開もあったのではないのかな、と言う印象も残ったりします。
 単純に版権が取れなかったと言う可能性はありますし、一般的には多分それが筆頭に来る理由だとも思うのですけれど、其の裏で桜奈ドールの方向性について、メーカーと製作者の方の意見が違っていたような気もする訳です。

0172_sakurana_05.jpg

 それこそ、版権モノのSFルックが駄目ならばある程度オリジナルな感じの衣装で近未来を意識させるようなデザインであっても良かった筈です。せっかくボディラインは考えつくされたしゅっとした感じの綺麗なデザインになっているのですから、もっと早い段階で体のラインを出す感じの近未来的な衣装を出してきて方向性を示す、と言うのはアリだったような気がします。
 しかし、それは全く実現せず、終わってみればバンダイの受付嬢になっていたのは何故なのかなぁと言う所から思索は始まり、バンダイはSFルックから日常的な衣装、そして綺麗なドレスまで何でも軽く着こなす、それこそバンダイの顔的なドールにしたかったにも拘らず、製作者はドールのイメージを出来る限り”一定の水準”、つまり何でも屋的な扱いではなくて、”桜奈とはこう言うドールだ、というイメージ”を維持したかったのかな、という気がしてならない訳です。
 結果、コンセプトの違いは平行線のままで、バンダイの手元に残った”桜奈存在価値”については”何でも屋コンセプト”だけが一人歩きしてしまい、結果的にはかなりチープな戦隊モノのアイドルコスプレ状態にまで身を持ち崩されるという結果になってしまったのはこれも上述したとおりです。
 其の一方で、製作者の方は大事に大事に”一点もの”に走る、という妙にいびつな状況になってしまったのは面白い現象でした。
 結果、一番大事な桜奈ドールたちの所有者たちだけが取り残される、というある種最悪の結果に終わってしまった、と言うのが現状なのでしょう。

 着地点で大クラッシュをしてしまったとは言え、当初の設計に関するコンセプトから考えても、桜奈ドールの出来のよさは折り紙つきだと思いますし、そこは否定できるものではないです。むしろ、昨今のドール事情からすると、よく第三弾まで出してくれたなぁ、と言う事で、そこで満足するべき話ですらあるのかもしれません。
 
 プロジェクト自体も休止、と言う事で中止では無いと言うことを受けても、何れまた需要が来る日もあるのかも知れません(ただ、余り期待はしていない上に、もしバンダイのドールとして復活するとしてもそれが桜奈ドールとして復活するかどうかも疑問だったりします)。
 それでもまぁ桜奈ドールは1stの段階からお気に入りで迎えてきたドールですので、今ここにいる全5人だけでも大切にしてあげるのが、所有者としての努めと言うところでしょうね。

 何にしてもフォトジェニックなお姉さんでは在りますので、折に触れてまたモデルさんとして出してきますので、其のときには生暖かくでかまいませんので、こんなドールもあったのね、と言うくらいの気持ちで見ていただきたいと思います。

という、長々とした番外編なお話でした。
nice!(2)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 2

コメント 2

sana

桜奈さん、素敵ですね~!
お洋服もおしゃれ☆
でもあまり知られていませんよね‥
なにかうまくいかなかったんですね‥
惜しいことでした。
by sana (2012-12-16 13:32) 

せいしろー

sanaさま
>お返事が遅くなりましてごめんなさいです。

 桜奈シリーズはもったいない流れだったなぁ、と未だに思っています。
 せいしろーさん的にはあの顔のラインとかが結構好みでしたので、唐突な終焉には一寸した理不尽さを感じてしまっていたところです。
 
 その代わりと言っては何ですが、あの顔のラインはそのままにHCMシリーズが出てきたのですが、桜奈が初めて出てきたとき程のインパクトは感じていないのが正直な所です(出来とかについてはまた別のお話です)。

 もし桜奈が27ドールだったら、とかを考えるとまた違った進化を遂げていたのかなぁ、とも感じています。
 桜奈はせいしろーさん的にそう言う”たられば”を感じさせてくれるドールだったのだろうなぁ、と何となく思っているところです。

tochiさま
>niceをありがとうございました。  
by せいしろー (2013-01-01 22:53) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。